J1リーグ1st第6節鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島 鹿島6バックでの対抗
ミシャシステム対策第3弾となる今回は、4月9日に行われた鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島の試合を振り返りながら説明していく。
この試合を見た感想は、鹿島が広島の攻撃をよく抑えていたという印象であり、鹿島4-1広島と得点でも鹿島が広島を圧倒した試合となった。
今回の記事では、鹿島のディフェンス陣がどのようにして広島の攻撃陣に対処していたのかを具体的に述べていく。
~まずはサンフレッチェ広島というチームの説明から~
広島の森保監督は、コーチから監督へと就任した初年度(2011シーズン)にリーグ戦を優勝しており、就任4年目となった昨シーズンまでにも3回(2011・2012・2014)ものリーグ戦を制覇してきた。
特に昨シーズンのリーグ戦での成績はとても印象深いものとなり、73得点(リーグ1位)、30失点(リーグ1位)、勝ち点74(歴代1位)という驚異的な数字で終えたことから、攻守共にバランスのとれたチームと言える。
そういった結果の裏付けとして、ミシャが広島で5年半培ってきたものを上手く継続させ、そして森保監督はそこに色を付け加えていった。
例えばミシャは守備練習を全くと言って良い程行わないことで有名であるが、森保監督は守備練習を多く取り入れ、それを結果として繁栄させてきた。
1回の攻撃で仕掛けられる人数制限、両サイドCBがWBをあまり追い越さない制限、セットプレー(守備時)における人数制限など、各選手が規律を守ってプレーをしている。
また、広島はこれまでに多くの選手が他チームへと移籍(え?赤色?聞こえません・・・笑)していったが、抜けたポジションの代わりとなる選手を育成または他チームから獲得しては、その部分を補うどころか強みへと変えていった。
『就任4年目にしてリーグタイトルを3回獲得した森保監督 サポーターからはポイチの愛称で親しまれている』
~フォーメーション~
攻撃時には前線が5枚となるミシャシステムに対して、4バック+ダブルボランチのシステムを採用するチームは珍しく、多くのチームはWBが落ちてきて5バックで守るなり、4-5でブロックを組んで対抗する。
しかし鹿島の4バック+ダブルボランチには意図があった。
1. ダブルボランチが最終ラインに落ち、6バックに変形
CBの昌子、植田が1トップのウタカをケアーし、ダブルボランチがツーシャドーをマーク(小笠原vs茶島、柴崎vs柴崎)するといった6バックに近い陣形で対抗した。
こうすることによってウタカが中盤に落ちた場合、CBの1人がウタカを追いかけにいっても、中央にCBがもう1人残っていることで、最終ラインの真ん中にスペースが生まれない。
また、鹿島のダブルボランチが広島のツーシャドーをマークすることによって、最終ラインで数的有利を保てられる。
簡単に言うと、CB2枚とボランチ2枚で広島の1トップ2シャドーをケアーしている。
しかし、このダブルボランチでシャドーをマークするというのは完全なマンマークではないので、2列目の遠藤が柴崎をマークし、柴崎が青山のマークをしにいくなどといったマークの受け渡しが、試合を通して非常に良くできていた。
2. FWのマーク
広島のビルドアップ時に、土居が千葉を、金崎が宮原をマークし、広島のパスの出どころであるアンカーの青山には金崎と土居の両方が見るといった、FW2枚で3人を捕まえにいく守備をする。
~広島のシステム変更~
1-3と不利な状態であった広島は前線の選手を何人か投入し、システムを変えてきた。
3-1-4-2と攻撃的なシステムに変え、変更直後は良い形の攻撃を見られたが、守備に割ける人数が極端に少なかったため、カウンターをくらい、更に終了間際に1失点をくらった。
~得点シーン~
得点シーンはどれも安い失点であったので、今回は具体的な得点シーンの解説は行わない。
1点目はクロスを簡単にあげさせた水本のミス、2点目は背後をとられた昌子のミス、3点目は柏のマークミス、4点目はキーパー林のパンチングミス、5点目は前掛かりになっていた広島のカウンターでの失点であった。
『試合のハイライト』
広島はACLも並行して戦っていることから、何人かの選手を休ませ、疲労感も見える試合となった。
鹿島は広島の攻撃の際、上手くマークの受け渡しができている印象であった。
特にダブルボランチの小笠原、柴崎の走行距離数が両チームを通じて3位、4位という結果に終わり、ここのボランチの守備は非常によく頑張っていた。
次回は4/15(金)に行われる広島対新潟の試合を取り上げつつ、ミシャシステム対策第4弾を取り上げていく。
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