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Jリーグアナライズ

主にJリーグのチームを取り上げます

1stステージ制覇へ、鹿の赤喰い

ミシャシステム対策 マッチレビュー

リーグ戦も残すところあと2試合となったJ1リーグは、1stステージ優勝チームも川崎、鹿島、浦和の3チームに絞られた。そんな中、今節(第15節)の浦和レッズ鹿島アントラーズの試合は優勝争いをする上で非常に重要な一戦となり、これを落とせば優勝の可能性が極めて低くなる。結果は鹿島が敵地埼玉スタジアム2002で勝ち点3をもぎ取り、暫定順位ではあるが浦和を抜いてみせた。試合を見ていて感じた点は、鹿島は上手く浦和の攻めに対抗しており、この日のためにかなりの準備をしてきたことである。実際今季鹿島は同じシステムを採る広島に5-1と完勝し、Jリーグで1番このミシャシステムに対抗できているのではないか。今回の記事ではそんな浦和、広島対策がとれた、鹿島の守備の仕方を取り上げていく。

 

フォーメーション

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鹿島は伝統であるダブルボランチ型4-4-2を採用。浦和は右WBに関根ではなく、梅崎を起用してきた。

 

浦和と広島は同じシステム、戦い方をするチームであるが、鹿島は広島戦とは異なり、浦和戦ではその守り方を変えてきた。

 

対広島戦での、鹿島の守り方

鹿島は浦和、広島と対戦する際、相手の攻撃時に最終ラインで数的不利にならないよう、十分に対策を練ってきている。対広島戦では以前にレビューでも書いたが、ダブルボランチが最終ラインに落ち、6バックに変形する。

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マークの担当は、両CBが相手CFを、ダブルボランチがダブルシャドーを、両SBが両WBをマークする。この守り方の特徴は、相手CFにCB二枚で対応することである。CFが中盤に落ちてきた際、CB一枚が付いていくことで、もう片方のCBが最終ラインの真ん中のスペースを埋めることができる。こうすることによって、真ん中のスペースを使われるという危険性がなくなる。

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ダブルボランチのどちらかが相手のアンカーをケアーする場合、二列目の選手がシャドーをケアーするために、最終ラインに吸収される。前回の広島戦では、このマークの受け渡しが非常に良くできていた。

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対浦和戦での、鹿島の守り方

今度は対浦和戦での守り方。対広島戦とは異なり、鹿島は守り方を少し変えてきた。ボランチは常に1枚しか最終ラインに吸収されず、5対5と数的同数を組むことが特徴的である。空いた片方のボランチは相手のアンカーのマークに回る。そして二列目の選手は相手のシャドーに対してマークしにいくことはせず(最終ラインに吸収されることなく)、常に高い位置にポジションを陣取っている。

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守備のシステムを広島戦の6-2-2ではなく、5-3-2で対抗した理由として、中盤に必ずボールを配給出来るボランチの選手を一人置いておくことが狙いである。最終ラインでボールを奪うと前線に5人もの選手がいるので、攻撃に転換しやすい。実際にこの日も、幾度となく前線の選手だけで決定機を演出していた。

 

浦和の弱点

浦和はポゼッションサッカーであるのはご存知の方も多いと思うが、執拗にボールを持ちすぎる印象を受ける。その理由は可変システムにあり、守→攻の陣形を整えるまでに時間が掛かる。ボランチの阿部が最終ラインまで落ち、両WBが最前線に配置してからやっとビルドアップが開始される。中盤でボールを奪った際、柏木が最終ラインまでボールを戻す場面が多く見られるが、これは陣形が整うまでの時間稼ぎである。森脇、槙野も攻撃参加したがる選手が故、攻撃時には2-3-5という超攻撃型システムへと変化される。Jリーグではカウンターを得意とするチームが少ないことから上手く戦えているが、ACLといった大舞台で勝てない理由は被カウンターの弱さである。

そして、この日の鹿島戦でも、被カウンターから何度も危ない場面があった。

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両WBが最前線まで上がっているので、3バック+阿部の4人で守らなければならない。また、森脇、槙野が上がりすぎていることから最終ラインがぐちゃぐちゃな状態で、リスク管理をする気もないのが一目瞭然である。

 

スタッツとハイライト

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鹿島1点目のシーン2:11 金崎

鹿島2点目のシーン3:29 鈴木(PK)

 

鹿島1点目のシーン

失点は宇賀神の致命的なミスパスに尽きる。攻撃の重心が前目の状態で、このミスパスをしては絶対にいけなかった。3対3の局面でも、個人技のある3人(カイオ、金崎、柴崎)が相手ではそう簡単には防げない。

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まとめ

鹿島アントラーズ

この試合は鹿島が勝つべくしてかったという印象であった。守りの部分でも鹿島は浦和対策を十分にし、それが上手く機能した。攻撃面でも少ない人数、少ない手数でチャンスを作ることができ、得点シーンもカウンターによるもであった。ボランチが最終ラインに吸収されるこのシステムはなかなかできるものではなく、その理由として、攻撃時にボランチが参加しにくい。前線にタレントが揃っている鹿島だからこの戦術を取り入れられ、前述でも述べたが、Jリーグで一番ミシャシステムを攻略しているであろう。

 

浦和レッズ

5連戦の初戦となったこの一戦で勝利を手にしたかった浦和ではあったが、結果、内容共に相手よりも劣っていた。カウンターに弱いところをつけこまれ失点し、攻撃パターンはこの日もさえなかった。これでリーグ戦3試合無得点となり、なかなか攻撃の糸口を見出せないでいる。(この記事を書いているのは6/22であり、現時点でリーグ戦4試合無得点、5試合勝利なしを含む3連敗となった。)1stステージ優勝も鹿島、川崎の2チームに絞られたが、浦和には後半の巻き返しを期待したい。