Jリーグアナライズ

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ミシャシステム対策でのミラーゲーム戦術

前回に引き続き今回もミシャシステム対策を取り上げるが、前回の試合レヴューとは異なり、今回は解説のみをしていく。 (広島対浦和の試合がまだ随分と先で、この2チームにミラーゲームで挑んでくるチームもまだ先であったため。)

またミラーゲームとは何ぞやという人のために、その解説も同時に取り上げていく。

 

ミラーゲームとは

ミラーゲームという言葉は昔から使われていた言葉であったが、ここ数年ミシャシステムが浸透し出してから、最近ではよくこの言葉を耳にするようになった。簡単に言うと対戦相手が鏡に見える、いわゆる相手チームと対戦しているのではなく自チームと対戦しているように見えることから、このネーミングが付けられた。相手チームも同じシステム、同じ戦術を執るが故に、マークする対象がはっきりとし、1対1の局面を多く迎える。またミラーゲームは、相手の長所を出させないことを目的とするので、なかなかスペースが生まれない。その結果、試合自体がこう着状態となり、見ている側からすればつまらなく感じることもある。

 ミシャシステムに対してミラーゲームで挑んでくるチームはJリーグに何チームかあるが、その中でもネルシーニョ監督(現ヴィッセル神戸監督)は柏レイソル時代から広島、浦和と対戦する際、この戦術を取り入れてきた。ネルシーニョは柏時代からこの2チームとの対戦成績は決して悪くはない。2013シーズンのナビスコ杯で浦和と決勝戦で対決し、この重要な一戦でも柏が勝利するなど、ミシャ自身もネルシーニョと対戦することに苦手意識を持っている。

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by Jリーグ.jp

 

では、具体的な説明をしていく。

 

フォーメーション

ミシャシステムの3-4-2-1に合わせるように、相手チームも同じ3-4-2-1で対抗する。

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攻撃時にはアタッカーを5人配置するが、相手も合わせて5バックへとシステムを変えてくるので、スペースが生まれにくい。 (前回の記事で書いた甲府のゾーンで守る5バックとは異なり、ミラーゲームでの5バックは全てマンマークで対応するので、スペースが生まれにくくなる。)

また、パスの出どころであるワンボランチが相手のダブルボランチからマークにあうので、なかなか前線にボールを運べない。

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もちろん守備時にも同じことが言え、相手のアタッカー5人に対して最終ラインは5人で対応する。

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前線でのスペース創り

スペースを作り出す術として、ディフェンスがマンマークで対応してきていることを利用する。CFが中盤に落ちることによってマンマークしているディフェンスを同行させる。すると本来CFがいるべきポジションにスペースが生まれるので、そこにシャドーなりSBの選手が飛び出してくる。

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以上がミシャシステムに対してのミラーゲームであった。

他チームがミラーゲームで挑んでこない理由として、このシステムでは各ポジションに求められる能力が高い。特にミシャシステムでは攻→守、守→攻の際、ボランチ(浦和の阿部、広島の森崎和)の可変をするタイミングが非常に重要となってくる。柏ではその役目をキャプテンでボランチの大谷がしっかりと熟していたので、攻守のバランスが非常によくとれていた。

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by サッカーキング

 

次回は今週行われる試合を基に、引き続きミシャシステム対策を書いていく。

 

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