ミラーゲームを制した磐田
昇格チームながら9位とまずまずな順位に付けているジュビロ磐田と、リーグ戦ここ5試合4勝1敗と好調を維持しているサンフレッチェ広島の一戦となった。磐田は今季のリーグ戦未だホームで勝てておらず、前年王者の広島相手だが3ポイントを取りにいく戦いを演じた。一方の広島は残り1節を残しACL敗退が決まったが、リーグ戦上位進出のためにこちらも勝利が必要とる試合となった。磐田は今季4-2-3-1の布陣をベースにこれまで戦ってきたが、この試合では対広島戦ということもあり3バックを採り入れてきた。今回の記事では、磐田がどのように広島の戦い方に対抗していったのか解説していく。
試合レビューの前に、磐田というチームの説明から
ジュビロ磐田の特徴
磐田は2014シーズン途中から名波浩監督がチームの指揮を執り、J2に降格したチームを2年でJ1に昇格させた。名波監督初年度となった2014シーズンではJ2で4位に入りプレーオフを戦ったが、6位のモンテディオ山形にラスト1プレーのところでコーナーキックから決勝点を挙げられ敗れてしまった。続く2015シーズンではFWジェイ・ボスロイド、MFアダイウトン、GKカミンスキーと3人もの外国人選手を獲得し、見事チームのJ1昇格に貢献した。その中でも元イングランド代表という肩書を持つジェイは、Jリーグ初年度ならがJ2の舞台で得点王(20得点)に輝いた。
by ライブドアニュース
磐田の特徴はインパクトのある3人の外国籍選手以外に、左利きの選手が多いことである。6人もの左利き選手がスタートから出ることも珍しくなく、名波監督曰く意識はしていないとのことだが、自身が左利きの選手であったが故、左利きの選手を選んでしまうのかもしれない。しかし、これだけ多くの左利き選手をピッチ上に立たせてしまっては、左利き選手の良さが出にくいとも言われているが、今のところそれらの左利き選手の特徴を活かし、J1の舞台で上手く戦えている印象だ。
主にセンターラインのポジション、左サイドのポジションに左利きの選手を起用する。
基本中盤のトライアングルは全員左利きである。
では、磐田対広島の解説をしていく。
フォーメーション
磐田は得点ランキング2位(6得点)のジェイが怪我で欠場、広島は千葉がサスペンションであったため欠場。広島対策としてミラー戦術を採り入れたため、広島のシステムと同じ3-4-2-1で戦った。
広島の青山は調子を落としていたということで、ベンチスタート。
ミシャシステム解説記事↓↓↓
磐田攻撃時
ミラーゲームで対抗するため、攻守時共ミシャシステムと同じ布陣になる。攻撃時にはボランチの山本が最終ラインに落ち4バックを形成することで、広島の3枚のプレスをCBの3枚とボランチの1枚、計4枚でプレスを剥がす。両WBは高い位置を取り、5トップに近い形で攻める。磐田の小林はボールを受けに中盤に落ちる動きを何度もし、そこで起点をつくっていた。
広島攻撃時
広島の5トップに合わせて、広島も5枚でブロックを組む。
スタッツとハイライト
磐田1点目のシーン 1:43- 中村
磐田1点目のシーン
右サイドから小林がクロスを上げ、逆サイドのスペースで受けた中村がフィニッシュに持ち込んだ。WBが最前線のポジションまで上がるシステムであり、そのWBの選手が得点することができた。小林がクロスを上げるまでミキッチが中村のマークに付いていたが、一瞬の動きで中村はミキッチのマークを外し、スペースに走りこんだ。ミキッチの守備としては、ペナルティーエリア内で中村をフリーにさせてはいけなかった。
まとめ
今季4-2-3-1をベースに戦ってきた磐田であったが、新たに取り入れた3バックで結果が出たので、3バックというゲームプランも一つのオプションに加わったはずだ。WB中村は上手くミキッチの攻撃を抑え、攻撃面でも得点するなど、攻守において「きれ」のあるプレーを見せていた。ジェイはここ最近3試合欠場しているが、そんな中で2勝1敗と結果を残せている。
チームの主力である千葉、青山(途中出場)を同時に欠いたことが響いてしまった。ミラーで対抗されたことから前線になかなかスペースが生まれなかったが、ウタカが中盤まで下がるなどして、スペースを作り出したかった。
次回の記事では、先週行われた柏レイソル対ヴィッセル神戸のレビュー記事を取り上げる予定だ。
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