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J1リーグ1st第7節ガンバ大阪対柏レイソル 柏プレッシング守備

ACLを戦っているガンバ大阪は19日(火)ホームで韓国チームと対戦することから、ガンバ大阪柏レイソルの試合は金曜日の夜に行われた。

今季のリーグ戦でなかなか上位に食い込めない両チームだが、どちらも前節に勝利しており、上位進出するためには勝ち点3が欲しい試合となった。

しかしガンバは柏を大の苦手としており、公式戦9戦で1勝1分7敗とかなりの愛称の悪さが伺える。

その影響もあってか、この試合も柏が1-0で勝利を納め、試合内容でも柏の方が上回っていた。

今回の記事では、4-4-2に対しての柏の戦い方を解説していく。

 

~まずは柏レイソルというチームの説明から~

柏は昨シーズン、下部組織コーチの吉田達磨監督(現アルビレックス新潟監督)がトップチームの指揮を執り、教え子であったユース出身の選手をシーズンを通して積極的に起用した。

ACLでは準々決勝で、その年の王者広州広大に敗れはしたものの、この年も柏のACLでの強さが存分に発揮された。

一方でリーグ戦では年間10位とチームが期待する結果とならず、吉田監督はわずか一年での解任となった。

そして今季からはブラジル人新監督ミルトン・メンデス監督が指揮を執ったが、公式戦4戦勝ちなしという結果を受け、わずか4試合での辞任となった。(実質上の解雇)

その後下平隆宏ヘッドコーチが監督としての指揮を執り、現在リーグ戦4試合2勝2分と好成績を残している。

その好調の裏付けとして、下平監督は柏に守備意識を植え付け、前線からのプレッシングサッカーへと変えていった。

 

ここからはガンバ大阪柏レイソルのレビュー

~フォーメーション~

ガンバの宇佐美はトップ下というよりセカンドトップ寄りに配置

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柏は下平新監督になってから昨年と同じ4-1-4-1のフォーメーションを採用しているが、昨年と違う点はアンカーのポジショニングである。

昨年はボールを散らせられる茨田がアンカーを担っていたが、今季は大谷がそこのポジションに入っている。

その理由として、昨年のアンカーのポジションはビルドアップ時にディフェンスラインの一列前でボールを回していたが、今季のアンカーは最終ラインに落ちCBと三枚で攻撃を組み立てるからである。

最後尾からの攻撃の組み立てが上手い大谷がアンカーのポジションに入り、中盤でのボールさばきが上手い茨田はインサイドハーフに入った。

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このシステムのメリットは2点ある。

まず一点目は、ビルドアップ時に相手がFW二枚でビルドアップ隊にプレスをしてきても、最終ラインの3枚でそのプレスを交わせられることである。

足元の上手い選手が最後尾から攻撃を組み立てることによってボールを奪われず前に繋ぐことができ、チャンスを演出できる。

二点目に、両サイドバックを高い位置に置くことができる。

今季FWから右SBにコンバートした突破力が持ち味の伊東を高い位置で勝負させることができ、また相手ディフェンダーも伊東の攻撃に釣られ、低い位置を陣取ってしまう。

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~柏のプレッシングの仕方~

この試合、柏の前線からのプレッシングには目に光るものがあった。

守備時にはトップ下の中川が、最前線でディエゴオリヴェイラとガンバのCB二枚にプレスすることで、パスコースを切っていった。

また、各局面で1対1の状況を作り、ボールホルダーに素早いプレスをすることによって高い位置でボールが奪え、何度もカウンターに繋げることができていた。

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監督の指示なのか、あるいはアデミウソンの判断(守備のサボり)なのか分からないが、柏の攻撃時アデミウソンが伊東のマークに行かないという場面が多くあった。

ガンバはアデミウソンを前で残して、カウンターに備える戦い方をしていたのかもしれない。

柏も攻撃時、空いていた伊東を敢えて使わずに、カウンターを恐れてか逆サイドの中山から攻撃を始める回数が多かった。

 

~得点シーン~

武富の縦パスを田中順也がワンタッチで中に入れ、反転してボールを受けたディエゴオリヴェイラがゴールを決めた。

縦パスに対してワンタッチでパスをしたことによって、ガンバのディフェンダーが田中に寄せきれず、ディエゴオリヴェイラに良いタイミングでパスが通った。

そして、ディエゴオリヴェイラのシュートも高度な技であった。

利き足の右足でシュートを打つと思わせることで、ガンバディフェンダーを右側に食いつかせ、反転でトラップしたボールを左足でシュートを放った。

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『試合のハイライト 得点シーン1:53-2:00』

 

勝敗の差は交代選手であったとも考えられ、特に後半途中から入った柏の田中はアシストもするなど、一度消えかかっていた柏の攻撃面を活性化させた。

そして何より柏の選手は90分間足が止まらず、攻守の切り替えが速く、ことごとくセカンドボールを拾えていた。

対するガンバはシュート数9本に対して枠内シュート数は0本とその数字から見て分かるように、決定機数が極端に少なかった。

柏はこの一週間、十分にガンバ対策をしてきたことが考えられる。

 

面白いことに柏は、前節FC東京戦(1-0勝利)、今節ガンバ大阪戦、次節鹿島アントラーズ戦と3戦続けて中盤ダブルボランチ4-4-2のチームと対戦する。

4-4-2封じの可変4-1-4-1が3戦続けて勝利するのか、あるいは次節の鹿島が何かしらの手を打ってくるのか。

次節の鹿島戦では、そこのポイントも勝敗のカギを握るであろう。

 

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