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Jリーグアナライズ

主にJリーグのチームを取り上げます

アンカーの配置と0トップで挑んだ、新潟の広島対策

ミシャシステム対策 マッチレビュー

今回取り上げるサンフレッチェ広島アルビレックス新潟の試合は、前回取り上げたガンバ大阪柏レイソルの試合同様、広島のACLの関係から金曜日の夜に開催された。

新潟は広島を大の苦手としており、公式戦9戦勝ちなしの2分7敗である。(前回勝利は10戦前の2012年5月3日J1リーグ第9節アウェー戦まで遡る)

特に新潟は広島相手になるとまったく得点が取れておらず、勝利のない9戦の内無得点の試合が7回もある。今回の対戦でも広島1ー0新潟と新潟は完封を喫したが、試合内容は決して悪くはなく、特に守備の部分では非常に良く対策を練ってきていた。

今回の記事では、新潟が取り入れた広島対策を解説していく。

 

昨季柏の広島対策

昨季の柏レイソルの吉田監督は、今季からアルビレックス新潟で指揮を執っている。現在新潟で採用している4-1-4-1のシステムは柏時代から取り入れており、昨季のアウェー広島戦では王者相手に3-0と完封勝利を収めた。そのアウェー広島戦を参考に、吉田監督が広島相手に取り入れた戦術を解説していく。

 

守備編

広島の攻撃の最も厄介な点は、攻撃時に5枚ものアタッカーを前線に配置することである。それを嫌い多くのチームは3バックを採用して、守備時にWBが最終ラインに落ち5バックを形成する戦術を取り入れる。しかし吉田監督は従来の4-1-4-1のシステムを広島戦でも採用し、広島の5枚ものアタッカーを封じ込めた。対策方法は守備時にアンカーのポジションを動かすことで5-4のブロックを形成し、広島の5トップに対して最終ライン5枚がマンツーマンで対応する。その結果広島のアタッカーをフリーのさせず、フリーになりがちなWBにもしっかりと対応出来る。

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攻撃編

この試合は本職が中盤の武富がCFのポジションを熟し、その隣(SH)にクリスティアーノと工藤が入った。この狙いは最前列にいるはずの武富が中盤の曖昧なポジションを取ることで、0トップ気味なシステムとなる。そうすることで広島のCBは武富を安易に捕まえに行くことが出来ず、マークの担当がはっきりしない。その結果、広島は武富をフリーな状況にさせてしまい、柏はそこに縦パスを入れることで、何度も起点を作っていた。

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ここからは今節の試合、サンフレッチェ広島新潟アルビレックスの解説

フォーメーション

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新潟の守り方

昨季の広島対柏の試合とは違い、アンカーのポジションは最終ラインに落とすことはせず、守備時でも4-1-4のブロックを形成して守ってきた。アンカーを配置する狙いは3つあり、それぞれを解説していく。

1. CF、SHに対するマークの担当

多くのチームは5トップの広島、浦和と対戦する際、CFかSHが中盤に落ちて来たとき、それらの選手を誰がマークするのかといったマークの受け渡しを苦手としている。そこで新潟は、中盤で余っているアンカーの小泉が、落ちてきた選手をマークすることによって、前線で広島の選手がフリーにならないようケアーしていた。

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2. ボールホルダーに対して、2対1の局面を作り出す

このシステムでアンカーポジションは真っ先にボールホルダーに行くことはせず、1対1の局面に顔を出しに行った。ボールが右に流れれば右に、左に流れれば左にポジション移動するアンカーは、1対1の場面で抜かれないようそこの場面のヘルプに行き、2人でボールホルダーに対応していた。こうすることによって1人が抜かれてもヘルプで入ったアンカーの選手がまだ残っているので、前線で広島の選手をフリーにさせなかった。

3. ピッチ上の監督

システムが流動的に動く広島のシステムに対して、浮いた選手を誰がマークするのかといったマークの受け渡しが非常に難しい。そこで中盤の底に人を配置することで、誰がどこにプレッシャーをかけに行くのかということをアンカーの小泉が細目に指示を送っていた。

 

新潟の攻め方

上記に述べた昨季の広島対柏戦同様に山崎をCFに置いてはいたが、何度も中盤に顔を出し、攻撃の起点を作っていた。広島のCBがこの山崎の動きに付いていってしまうと、最終ラインの真ん中にぽっかりとスペースが出来てしまう。そのためCBは自分のポジションからは動かなかったが、中盤でのマークの受け渡しがあまり出来ていなかった。

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試合ハイライトとスタッツ

『得点シーン1:42-1:52』

www.youtube.com

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まとめ

アンカーを含めた守り方と0トップでの戦い方を紹介してきたが、個人的には良い対策方法であると感じる。守備ではアンカーを配置することで広島の前線の選手をフリーにさせることはなく、一方攻撃ではフリーになれる選手を創り出せるので、相手からしたらやりにくさがあるであろう。スタッツを見てもボール支配率は新潟の方が上回っており、遅攻である広島よりもボールを持つ時間が長かったことは評価できる点である。しかし、最後のところで決定的な場面を外すことが何度かあり、この辺りが上位と下位との差ではないか。試合内容がイマイチでもしっかりと勝ちきる広島は、毎年上位争いをしている理由がよく分かる。新潟はそこの部分を詰めていけば、各ポジションにタレントが揃っているので、上位争いに食い込む可能性は十分に持っている。今年も残留争いに巻き込まれそうだが、吉田監督の手腕には期待している。

 

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